タンブルウィード短編集3

戦争で文明が後退した未来、荒廃した大陸のどこか。トレーラーハウスを転がす娼婦の私生児として生まれた兄弟がいた。兄の名前はピジョン、真面目で優しい性格。弟の名前はスワロー、傍若無人、破天荒な天才肌。スワローは唯一自分の味方であるピジョンに執着し、ピジョンは弟の感情に戸惑いながらも彼を庇い愛する。賞金稼ぎになったバーズが活躍する青年期の短編集第三弾。ショタ化・ペット可・攻め死亡IFルート(十年後の劉×ピジョンのH有)などのセルフスピンオフ他、賞金稼ぎ時代の神父とピジョン母の馴れ初め&ラトルスネイクとの火遊びを収録しています。弟×兄、美形×平凡、異物挿入、健気受け、地味受け、俺様攻め、執着攻め。■登場人物■スワロー(ヤング・スワロー・バード)攻娼婦の私生児。自由奔放で大胆不敵な弟。腹違いの歳上の兄・ピジョンに執着する。性的に無軌道で男とも女とも寝る。凄腕ナイフ使い。ピジョン(リトル・ピジョン・バード)受娼婦の私生児。スワローの腹違いの兄で心優しく温厚な性格。滅茶苦茶やらかす弟の身を常に心配している。慎重派の狙撃手。呉チャイニーズマフィア『蟲中天』の幹部で蛇のミュータント。賞金稼ぎ時代の神父(ナイトアウル)とバディを組んでいた。二挺拳銃使いの戦闘狂。劉アンデッドエンドで幅を利かすチャイニーズマフィア「蟲中天」の下っ端構成員。ピジョン&スワローの友人。隠れミュータントで蜘蛛の特性を秘めた糸使い。怠惰無気力なヘビースモーカー。何かとトラブルに巻き込まれがち。神父アンデッドエンドのスラム街ボトムで教会兼孤児院を営む神父。一見柔和で温厚な好人物だが大きな秘密を持っている。元賞金稼ぎで狙撃手。ピジョンの師匠となる。スイートピジョンとスワローが知り合った風俗嬢。「ミルクタンクヘヴン」の売れっ子。心優しく天然なアホの子。ピジョンちゃんとは大の仲良し。■用語辞典■・世界観西暦2300年頃。核戦争を経て南半球はほぼ壊滅、北半球のごく限られた生存圏にのみ人類が居住する。本作の舞台は北米大陸。放射濃度の高い汚染区域と居住区域に分かれているが、被差別層のミュータントなど汚染区域での生活を余儀なくされるものたちもいる。エネルギー源は風力発電が主(核発電は根絶された)地方の歓楽街では闇業者から電気を引いてる店も多い。国家の概念が解体され各市町村の自治に委ねられているが、賞金稼ぎや商店主はギルド制の繋がりがある。機能不全の政府を代行し国民の戸籍登録を担う機関は存在する。識字率は60%程度。治安が悪く犯罪が横行。発電設備のない地方は西部開拓時代のような自給自足の暮らしを送っているが、アンデッドエンドに代表される都市部は1970年代程度の生活水準。・用語保安局……賞金首の身柄を報酬と引き換えるほか諸般の手続きをする場所。全国に支部がある。アンデッドエンドにある本部は「中央保安局」略して「中央」ともよばれ、賞金稼ぎの登録試験を行っている。当該試験の合格者だけが正式な賞金稼ぎとして認められ、免許を取得できる。組合……フリーの賞金稼ぎが仕事と相方をさがす場所。登録しておくと優先的に斡旋してもらえるが、ラブホの投石犯を捕まえろだの内容は総じてくだらないものが多く、ホロウ・ワーク(虚しい仕事)の蔑称で軽んじられる。現在の職業安定所に近い。マーダーズ……賞金首を幇助する裏社会の組織。その影響を鑑みて一般には存在が明らかにされてないが、賞金稼ぎの間では公然の秘密である。全貌は謎に包まれているが、社会の上層から末端、有名人から一般人まで相当数が所属する。「殺●鬼の最低限度の文化的で健康的な生活」を活動理念に標榜し、逃亡・潜伏中の賞金首のリクエストに従い犠牲者をデリバリーするほか、隠れ家や偽造身分証の提供なども行っている。その起源は数百年前に遡るとされ、元々は北米大陸で連続殺●を犯したシリアルキラーが、逃亡ルートや隠れ家、協力者などの情報を交換する互助団体だったらしい。シリアルキラーを人を殺すことで人を超えた存在として神聖視し、異端の貴族と見なす風潮がある。アンデッドエンド……死なずの行き止まり。中央保安局を中心に発展した都市。核爆発の跡地のクレーターに築かれており、上へ行くほど生活水準が上がっていき、底に近付くほど治安が悪くスラム化が著しい。主な交通手段は|路面電車《トラム》。自動車はガソリンが貴重なことから富裕層のステータスシンボルである。アップタウン……アンデッドエンドの富裕層居住区域。その名の通りすり鉢の上方に位置する。ダウンタウン……アンデッドエンドの中流〜下流層居住区域。市がでたり賑やか。スラム……アンデッドエンドの貧民層居住区域。犯罪者やミュータントが集まる掃き溜め。ボトム《どん底》とも呼ばれる。教会……ピジョンの師である神父が務める場所。孤児院ならびにDV被害女性の為のシェルターも併設し、無償で勉強を教えたり職業訓練を行っている。裏手には小さな墓地がある。デスパレードエデン……別名ならず者の天下。スラムにほど近い通りで、日常的にマフィア同士の抗争に絡む銃撃戦がおこる物騒な界隈。ピジョンとスワローはここのアパートに住んでいる。快楽天……「蟲中天」が牛耳る中華街。チャイニーズマフィアの本拠地。代々の華僑が多く住んでいる。蟲中天……組織名の由来は中国の故事「壺中天」に「蟲毒」をひっかけたもの。構成員に虫系ミュータントが多く、他組織にはバグズの蔑称で呼ばれる。アンダーグラウンドの過激なショーを売り物にしている。PP(プロヒビティヴ・ペイン)……五年前にミュータント暴走抑制剤「ファントムペイン」を開発し、一躍上場企業に躍り出た新興製薬会社。アンデッドエンドのアップタウンに本社を構えている。ファントムペイン……PPが大々的に売り出したミュータント向け暴走抑制剤。遺伝子操作の後遺症で総じて短命傾向であり、50歳を峠に生存率が落ちるミュータントの延命措置としても期待される。今ではアンデッドエンドのみならず大陸全土に浸透し、ミュータントの希望となっている。ミュータント……大戦期に政府の研究所で生み出された新人類。人と動物の遺伝子を掛け合わせ生物兵器を造る実験の産物。おのおの戦場や研究所から逃走後に全土に散らばり、二世三世と子孫を増やして現在に至る。人より短命なため世代交代が激しく、また動物の特徴が強い見た目から差別や迫害に苦しんでいる。イレギュラー(非正規品)……ミュータントの蔑称。他にアブノーマル等とも言われる。マーダーオークション……保安局と一般企業(マフィアのダミー企業含む)が協賛する公共事業。過去に世間を騒がせた殺●鬼ゆかりの品々を競売にかけ、収益の一部を遺族に還元する。マーダーミュージアム……アンデッドエンドの人気観光スポット。歴代殺●鬼関連アイテムが展示されてる。目玉であるエド・ゲインのランプシェードは一回盗まれたことがある。ジャンクヤード……うろんな品々が売り買いされるスラムのマーケット。フリークスショーも催される。自警団……地元民で構成された自警組織。警察に代わる権力を有するが、大概は腐敗した無能と怠惰の集まり。よそ者から通行料を徴収するなどして私腹を肥やす。保安局と自警団の連携が密な地方は比較的治安が保たれている。アウトローリング……ゴロツキ転がし。毎週水曜日に更新される賞金首の手配書を奪い合うてんやわんや。月刊バウンティハンター……略してバウチ、またはバンチ。あらゆる賞金稼ぎと賞金首の情報を網羅する雑誌。賞金稼ぎ必携の書で購読数50万部を誇る。汚染区域《デッドゾーン》……核戦争による放射能汚染が深刻な地域。放射能濃度が高く、通常の人間は住めないとされている。遺伝子異常をきたした凶暴な動物が徘徊する。境界《マージナル》……汚染区域と非汚染区域の中間地帯。ミュータントの集落がある。ミルクタンクヘヴン……サシャとスイートが働く巨乳専門風俗店。搾乳と授乳が売り。全国に支部がある。バンビーナ……呉が実益と道楽を兼ねて経営する貧乳専門風俗。経営者の方針で風俗嬢は全員18歳以上。ミルクタンクヘヴンのライバル店。イラスト:にい様

ボッチ魔王のドスケベクエスト(触獄編)

部下の陰謀によって魔城を追われたボッチ魔王にドスケベな魔の手が襲い掛かる!?オリジナル18禁BLマンガです。今回は【触獄編】なので、メインのCPは触手×ボッチ魔王(主人公)。タイトルそのまんま、部下の裏切りによってボッチ魔王のクオン(主人公)が、見知らぬ場所に魔術で飛ばされ触手にエロい目に遭わされちゃうド変態エロになっています。エロはハードめですが、ストーリーは明るいので悲壮感はありません。【ドスケベな触手による…】乳首責め、乳首拡張、尿道責め、ア○ル責め、ボテ腹、言葉責め等、ヌルヌルな触手に苗床にされながらミルク噴いてメスイキしまくる汁気多めの濃厚エロ。※特に、卵産み付け→ボテ腹っぽくなるマニアックなハード要素あります。

おためしで

ノンケ青年が仕事で知り合った綺麗なお兄さんと成り行きでお試しホモセックスする漫画です。

なんでも言う事きいてくれる巨乳先輩♂

会社員のイノセくんは、口寂しくなると先輩(♂)を吸います。今日も会社の昼休みでも構わず、人気のないトイレで先輩の乳を吸い、我慢できずにフェラまでして先輩を味わい尽くします。金曜の夜はイノセくんの部屋でガッツリセックス。なんだか今日はいつもより激しいみたいで、先輩は慄きながらも後輩の怒張したソレを受け入れます。数日禁欲していたイノセくんは、一滴残らず先輩の中に注ぎ込み、すっかりイノセくんのカタチになっている先輩のお尻は、先輩の意思とは無関係に嬉々としてイノセくんの一物と精液を受け入れてしまうのでした。表紙&おまけ3ページ+本文35ページの計38ページ。

インディヴィジュアル・ジャンクション

「はやにえの恋」「満月の王」の商業番外編です。※満月の王番外編は新装版(極夜)に収録済みです。紙の同人誌と同じ内容で販売した為コミックス収録分と重複してますので、何卒ご了承下さい

もしもあなたが──だったら

極夜(満月の王)の番外編。「もしもツクヨミが天野のことを完全に忘れたら?」と「逆に過去のことも全て思い出したら?」の2本のテーマの漫画がはいってます。

あらすじ:千里は毎晩異形の男達に犯●れる悪夢にうなされていた。幼なじみの要にそれが自分がした事だと言われ、他人の夢に入る事の出来る能力がある事を知る。その事を誰にも話せず夢だけでなく要本人からも性的な関係を強要されてしまう。ある日姉の仕事の関係で獏という青年がしばらくの間同居する事になった。そしてその青年も要と同じ能力を持つ者だった。(旧作品です。)

裂花

鴆─ジェン─に収録されてる「いちばんりっぱな花になる」の番外スピンオフと、「31歳JKと三十路ビジネスマンは焦らしプレイがお好き」(単行本未収録)の小ネタですが、こちらだけでも読めます

少年プリズン2

■あらすじ■近未来の日本。東京は二十一世紀初頭に起きた相次ぐ地震のせいで砂漠と化し、周縁には無国籍のスラムが広がっていた。その砂漠の中心にあるのが東京少年刑務所、通称東京プリズン。少年犯罪の増加に頭を痛めた政府が半世紀前に設立した、入ったら二度と出られないと言われる悪名高い刑務所。それぞれの理由を抱えて劣悪な刑務所に送りこまれた少年たちの群像劇。(SF/バイオレンス/アクション/BL18禁)(カプ傾向 寡黙包容攻め×クール強気受け 美形俺様攻め×強気意地っ張り受け)暴力描写・流血表現あり。作者Twitterアカウント @wKoxaUr47xGeAZy(作品の裏話や情報を更新しています)■登場人物■鍵屋崎直IQ180を誇る天才少年。両親を視察し東京プリズン送致が決定した。途方もなくプライドが高い毒舌家で周囲と摩擦を起こす。サムライと同房。受け。サムライ直と同房の囚人。仙台の武家一族の長男だが、当主の父を惨殺し収監される。寡黙で朴訥な男。攻め。ロン台湾人と中国人の混血。娼婦の母に虐●されて育った。レイジの同房。喧嘩っ早く生意気な性分で囚人や看守に目を付けられやすい。受け。レイジ極東の砂漠に存在する少年刑務所、通称「東京プリズン」の東棟のリーダー。東の王様の異名をとる。フィリピン人とアメリカ人のハーフで絶世の美形。攻め。リョウ池袋で売春組織を率いていた男娼。ジャンキーなマザコン。気に食わない直を陥れようと暗躍する。サーシャ北の皇帝の異名をとるロシア出身の囚人。凄腕のナイフ使いでレイジのライバル。冷酷非情な性格。雑種のレイジに執着し性奴●にすべく狙っている。安田順東京少年刑務所副所長の謹厳実直なエリート。直と関係があるらしい。斉藤とは大学の同期生で元友人。■本文サンプル■調子っ外れの鼻歌が聞こえてきた。「大漁大漁っと」踊り場の窓を乗り越えて歩いてきたレイジに所在なげに展望台に散っていた囚人たちから嫉妬と羨望の入り混じった視線が注がれる。両腕いっぱいに抱えているのは手紙の束だ。「ロン、こんなとこにいたのか。さがしちまったじゃねーか」「大漁だな」にやけ面のレイジにイヤミっぽく言ってやる。両手に抱えた手紙の山を見下ろしたレイジはまんざらでもなさそうに笑う。「これでも昔に比べて倍近く減ったんだぜ」レイジの手の中に目をやる。手紙は全部で二十通、この倍近く届いていたということは四十通か?展望台のコンクリートに胡座をかき、どさりと手紙を投げ落として一通ずつ目を通してゆく。「スヨン、杏奈、シェリファ、メアリー、麗羅、ソーニャ、テレサ……」長ったらしい呪文のようにブツブツと女の名前を唱えながら右から左へと手紙を移し変えて小山を築いてゆくレイジは一瞥もせず、つまらなそうな無表情で本に読み耽る鍵屋崎。興味ないふりを装っているが、苛立たしげにページをめくる手つきから奴が酷くぴりぴりしていることがわかった。最後の一通を頂点にのせる。手紙の小山を築き終えたレイジは「よっしゃ」と腕まくりし、嬉嬉として開封作業にとりかかる。手紙の山の中腹からランダムにとりだした封筒を日に翳して差出人名を確かめ、いそいそと封を破く。「くさい」おもわず鼻をつまむ。レイジが広げた便箋からすえた香辛料の刺激臭のようななんともいえない匂いが漂ってきた。「ばか、香だよ。インドの」どうやら便箋に香が焚き染められていたらしい。顔の前に漂ってきた異臭を手で払いながら好奇心にかられてレイジの手元を覗きこむ。膝這いに這ってレイジへと近寄った俺の目にとびこんできたのは便箋上のミミズの行進。「……何語だ?」毒を呷ったミミズが七転八倒してるようにしか見えない外国語は俺にはさっぱり理解できない。便箋の文面に目を走らせながらレイジが言う。「ヒンドゥー語」……男でも女でもとっかえひっかえ手当たり構わずの節操なしだとは知っていたが、人種はおろか国にもこだわらないなんて。レイジはある意味究極の平等主義者かもしれない、レイジの中にはそもそも国境線が存在しないのだ。次から次へと手当たり次第に便箋を広げてはとっかえひっかえ目を通してゆくレイジのにやけ面が無性に腹立たしくなって舌打ちしながら鍵屋崎の隣に戻る。ガサガサと手紙を広げる音が背後で聞こえる。レイジがうらやましいわけじゃない、そんなことはない絶対に。最初から期待してなかったから落ちこむ理由もない。だいたいこんな極東の刑務所宛に、俺宛の手紙が舞いこむわけがないのだ。お袋とはとうに縁を切った。親でもなけりゃ子でもない。だから別に―……「落ち込んでんのか」背後で声。「落ち込んでねえよ」膝這いに這って俺の顔を覗きこんだレイジが一瞬逡巡するような表情を見せてから、俺の顔の前に一通の手紙を突き出す。「やるよ」「……は?」馬鹿かコイツ。「お前宛の手紙くれても嬉しくねーんだけど」「たくさんきたからお裾分けだ」真性の馬鹿だコイツ。それとも天然で残酷か天然でお人よしなのだろうか、寛容で博愛精神あふれる偉大な王様の発言に俺は口を噤んで一寸迷うそぶりを見せてからおずおずと手紙を受け取る。そして、満足そうに微笑したレイジと手紙とを見比べて早速行動にでる。封筒から薄い便箋をとりだしてコンクリートの地面に広げ、丁寧にしごいて折り目をのばす。何のつもりだと怪訝な顔のレイジをよそに便箋をさっさと折りたたんで紙飛行機を作る。俺は天性の不器用だから出来はお世辞にも素晴らしいとはいえないが、まあいいだろう。完成した飛行機を角度を変えてためつすがめつしてから、ひょいと手首を撓らせる。俺が飛ばした紙飛行機は上手いこと風に乗り、ツバメのようにあざやかに滑空した。「なんてことすんだよ!?」俺の奇行をあぜんと見守っていたレイジがこれ以上なく情けない顔で訴えるが、無視して飛行機の行方を追う。小手をかざした俺の視線の先、不恰好な紙飛行機はよれよれと不安定な軌道を描いて遂に力尽き中庭に墜落。バスケットボールを追って駈けずり回っていた○キどもに踏まれ、揉みくちゃにされ、泥だらけになる。「飛距離30メートルというところだな」本から顔を上げた鍵屋崎が一言呟き、すぐにまた本に目を戻す。意外と飛んだな。上々な成果に気をよくした俺の隣ではレイジがコンクリートに手をついて大袈裟に嘆いていた。「ひどい、ひどすぎる、親切を仇で返しやがって……娑婆の愛人のシェリファが真心こめた手紙なのにっ」恋人じゃなくて愛人ときたか。レイジらしい。「一枚くらいケチケチすんな、沢山余ってるだろうが」俺を哀れんで分けてくれるくらいだからもとから執着は薄かったのだろう。案の定レイジの立ち直りは早かった。ため息をついて胡座をかいたレイジは手紙の山を両手に抱え直すと今初めて気付いたように鍵屋崎に目をやる。「キーストアには手紙きたの?」「来たのならこんなところにいない」にべもない返答だ。眼鏡越しの目を伏せて即答した鍵屋崎を「ふ〜ん」と眺め、両腕に手紙を抱えたレイジが何か言いかけたときだ。「やっほ、みんな集まってるね」澄んだボーイソプラノに揃って振り向く。今しも窓枠を越えて展望台に降り立ったのは燃えるような赤毛の○キ。鼻梁にそばかすが散った童顔にあどけない笑みを湛え、俺らの方に気安く手を振ったのは男娼のリョウ。にこにこ笑いながらスキップするように近づいてきたリョウの後ろ、窓枠を跨いで姿を見せたのはリョウと同房の黒人だ。名前は忘れたが、レイジと仲がいいからツラは知ってる。人懐こく笑いながら俺の隣に腰掛けたリョウが手にしていたのは一通の手紙。よっぽど大事な人から届いた手紙らしく、もう一通、無造作に尻ポケットに突っ込まれてる手紙とは扱いからして違う。尻ポケットの手紙のほうが白い上質紙の封筒で高級感あふれてるのに。「ようビバリー、その節は世話んなったな」「いえいえ。またテキーラが必要になったらいつでも言ってくださいっす、王様と仲良くしといて損はないっすからね」ビバリーと呼ばれた○キと和気藹々と会話してるレイジ、その言葉の何かがひっかかる。「飲みたくなったら、じゃなくて必要になったら?」囚人が酒を隠してるのはいまさら不思議に思わない。要領のいい囚人の中には看守に取り入って酒や煙草やガムなんかの禁制品をゲットする奴もいるし、博打が強い囚人の中には看守と賭けをして戦利品をぶんどるのを生き甲斐にしてる奴もいる。ビバリーは愛想もいいし世辞も上手いし看守受けは悪くなさそうだ。テキーラを手に入れる機会はいくらでもあったわけだ。だからその点に関しては疑問は抱かなかったが妙な言い回しが気になった俺に、レイジが意味ありげに微笑する。「また火炎瓶が必要になったら、な」すとん腑に落ちた。「○キの頃よく火炎瓶作って遊んだなー。テキーラを瓶にいれて火をつけて投げる遊び」「レイジさんどんな子供時代すごしたんすか」火炎瓶にテキーラを流しこむ動作をしながら昔なつかしむレイジにあきれ顔のビバリーが一同を代表してツッコミをいれる。俺もチームにいた頃は火炎瓶のひとつやふたつ自前で用意したが、○キの頃からそんな物騒なもんを持ち歩いたりはしなかった。「で?お前は手紙もらえたのか」回想から覚めたレイジにビバリーが腕を広げる。手ぶらの証明。「仕方ないっすよ。ほら、僕のファミリーってビバリ―ヒルズ在住じゃないスか。届くまで時差があるんスよ、エアメールだし」残念そうに主張したビバリーから俺の隣に腰掛けたリョウへと視線を転じるレイジ。「お前は?」「じゃーん」待ってましたといわんばかりに顔の横に手紙を掲げる。得意満面、胸を反らしたリョウの右手に鍵屋崎を除く全員の視線が集中する。「ママからだよ」ママ。舌の上で砂糖菓子がとけるような発音。イラスト:N/I(@Ni64869208)様

少年プリズン3

■あらすじ■近未来の日本。東京は二十一世紀初頭に起きた相次ぐ地震のせいで砂漠と化し、周縁には無国籍のスラムが広がっていた。その砂漠の中心にあるのが東京少年刑務所、通称東京プリズン。少年犯罪の増加に頭を痛めた政府が半世紀前に設立した、入ったら二度と出られないと言われる悪名高い刑務所。それぞれの理由を抱えて劣悪な刑務所に送りこまれた少年たちの群像劇。(SF/バイオレンス/アクション/BL18禁)(カプ傾向 寡黙包容攻め×クール強気受け 美形俺様攻め×強気意地っ張り受け)過去に自サイト「ロールシャッハテストB」で連載していた長編BLを収録しました。暴力残酷描写あり注意。■登場人物■鍵屋崎直IQ180を誇る天才少年。両親を視察し東京プリズン送致が決定した。途方もなくプライドが高い毒舌家で周囲と摩擦を起こす。サムライと同房。受け。サムライ直と同房の囚人。仙台の武家一族の長男だが、当主の父を惨殺し収監される。寡黙で朴訥な男。攻め。ロン台湾人と中国人の混血。娼婦の母に虐●されて育った。レイジの同房。喧嘩っ早く生意気な性分で囚人や看守に目を付けられやすい。受け。レイジ極東の砂漠に存在する少年刑務所、通称「東京プリズン」の東棟のリーダー。東の王様の異名をとる。フィリピン人とアメリカ人のハーフで絶世の美形。攻め。リョウ池袋で売春組織を率いていた男娼。ジャンキーなマザコン。気に食わない直を陥れようと暗躍する。サーシャ北の皇帝の異名をとるロシア出身の囚人。凄腕のナイフ使いでレイジのライバル。冷酷非情な性格。雑種のレイジに執着し性奴●にすべく狙っている。安田順東京少年刑務所副所長の謹厳実直なエリート。直と関係があるらしい。斉藤とは大学の同期生で元友人。■本文サンプル■「自慰しろ」コイツは異常者だ。正真正銘の異常者だ。「…………っ、」「自慰。オナニーでもマスターベーションでもひとりエッチでもいいけどな、言ってるこたわかるだろ?まさかその年で一度もやったことねえなんて言うなよ」わかる、わかるに決まってる。俺だって聖人君子じゃない、レイジの留守中に毛布にかくれてやったことくらいある、というか最低二日に一度はやってるけど他の囚人に比べて頻度は少ないほうだ、いや違う、そんなことは今どうでもいい、どうでもよくないのは今タジマの口から出た言葉と現在進行形で俺がおかれてる状況だ。「正気じゃねえ」あとじさった拍子に背中が白塗りの棚にぶつかった。消毒液の瓶や包帯やらガーゼやらを収納しておく棚だ。棚にへばりつく格好でタジマを見据え、吐き捨てる。「はじめて会った時から思ってたけど本当の本当に正気じゃねえ、あんたおかしい、狂ってる。だいたいそんなもん見てなにが楽しいんだよ、そんなことさせて何の意味があんだよ?そんなにオナニー見たいなら鏡見ろよ、てめえの短小ペニスをおったててしごいてひとりで勝手にイけよこの変態!!」気持ち悪い、吐きそうだ。猛烈な嘔吐感をこらえて叩き付けるように叫ぶ、自分が直面してる事態があんまり異常すぎて許容できない、現状把握が追いつかない。ともすれば気が遠ざかりそうになるのを足腰踏んばってこらえてタジマを睨む。床を蹴ったタジマがみたび接近、消毒液の棚を背に追い詰められた俺を卑猥なにやけ面で覗きこむ。「違うな。俺はな、お前がイくとこが見たいんだよ。全身全霊で嫌がってる奴に無理矢理ヤらせるのがたのしいんじゃねえか、なあ」分厚い唇を唾液で淫猥にぬれひからせたタジマに生理的嫌悪が爆発して絶叫したくなる。恐怖と混乱で頭が真っ白になった俺の方に図々しく身を乗り出したタジマが断りもなくズボンに手をかける。「どれ、下脱がすの手伝ってやる」キレた。絶叫、椅子が横転。凄絶な悲鳴を発して椅子から転げ落ちたタジマが両手で目を覆ってのうたちまわっている。俺の右手にあるのは消毒液の瓶、瓶から立ちのぼったアルコールの刺激臭がつんと鼻孔を突く。足もとに落ちた蓋を蹴り、一瞬の早業でガラス戸を開け放った棚から上体を起こす。「図に乗るなよタジマ。ビール腹の中年が見境無く男に発情して気持ち悪ィんだよ、二度とそんな気持ち悪い目で俺のこと見れないように眼球焼いてやる!!」ガラス戸を軋ませて啖呵を切るも俺の頭の中は真っ白だ、怒髪天を突いた自分の声がびりびり大気と鼓膜を震わせてるというのに。無防備な顔面に消毒液をかぶったタジマはたまったもんじゃない、消毒液が涙腺に染みる激痛に目を真っ赤に充血させ声もなく悶絶していたが突然咆哮、四つ脚の獣のように床を蹴って棚に激突、腹に体当たりして俺を押し倒す。「!」腹に頭突きを喰らった衝撃で五指が緩み、床に落下した消毒液の瓶が粉々に割れ砕ける。透過性の高い茶色のガラス片が床一面に散乱する、蛍光灯の光を反射して硬質に輝くそれはおそろしく色素の薄いレイジの瞳を彷彿とさせ、タジマに組み伏せられて後頭部を床で強打した俺は今の情けない光景をレイジに見られてるような錯覚に陥る。「この○キッ、下手にでりゃ付け上がりやがって!!」前髪を掴まれ強引に顔を上向けられる、腰の警棒を抜いたタジマが肩で息をしながら凄む、憤怒で朱に染まったおそろしい形相。後頭部を打った後遺症で眩暈に襲われた俺を真上から覗きこんでうわ言のようにタジマが繰り返す。「一年半だ、いいか一年半だ、俺がお前に目を付けてから一年半だ!一年半ずっとヤりたくてヤりたくて仕方なかったんだ、お前が来た日のことはよーく覚えてる、主任看守の俺に媚びへつらわねえ生意気な新人が来たって久方ぶりにぞくぞくしたよ!実際お前ほどいじめ甲斐ある○キは久しぶりだ、おまえときたら初日に服脱がされても泣き言ひとつ言わねえでガンとばしやがった、何度警棒でぶちのめそうがガンとばすのやめねえ学習能力のなさ!その可愛げねえツラを歪ませたくて憎まれ口叩くしか能のねえ口に突っ込みたくて何回想像の中でヤッてヤッてヤりまくったかわかりゃしねえ!!」「黙れ黙れ黙れ、これ以上変態の寝言に付き合わされたら頭が変になっちまう!」「いいか、これは予行演習なんだ。どうせ明日から体売るんだ、何人何十人だかの男に抱かれるんだ。羞恥心とかプライドとか余計なモンはひとつ残らず剥ぎ取ってやる」狂気にぎらついた目を片手で覆ったタジマが俺の顔の横に風切る唸りをあげて警棒を振り下ろし、横っ面を風圧が叩く。次にタジマの口からでた提案に耳を疑う。「ケツの穴に警棒突っこまれるのと自分でヤるの、どっちがマシだ?」卑怯だ。そんなの二択になってない、はなから選択権なんかない。「はじめてが警棒ってのもきっついよな?大丈夫、ちゃんと気持よくなれるよう奥までねじこんでやるよ」タジマは異形の心を持つ怪物だ。理解を拒む異常者だ。俺をいじめるのがたのしくてたのしくてたのしくて発狂しそうにたのしくて仕方ない、追いつめて貶めてひとつ残らず希望を踏み躙ってくのがたのしくてたのしくてたのしくて勃起しそうにたのしくて仕方ない。タジマの顔はそう言ってる、タジマの目はそう言ってる、狂わんばかりの欲望の炎に燃え盛ってそう主張してる。タジマなら本気でやる、容赦なんかするはずがない。手足の先が冷えてゆくのは無機質に冷たい床のせいじゃない、体の芯まで凍えさせる絶望の温度だ。消毒瓶の破片が散乱した床の惨状に四肢を投げ出して仰向け、眼前に迫ったタジマの顔とその背後の蛍光灯とを見比べて口を動かす。「そんなもんねじこまれるくらいなら、」舌が、勝手に動く。たった今眼球が潰れてほしいと、眼球が潰れてなにも見えなくなればいいと狂わんばかりに希求して強く強く瞼を閉じる。発狂寸前の暗闇の静寂に自我を没して頭をからっぽにしようと努める、なにも考えるな感じるな思い出すな、お袋のことも俺が殺した連中のこともレイジのことも行為中になにも思い出すな思い浮かぶな全部忘れろ忘れろ忘れちまえー……仕方ないのか。もう、仕方ないのか。言うしかないのかよ。―「そんなもんねじこまれるくらいなら、自分でヤッたほうがマシだ!!」―